電子書籍は購入元が倒産や潰れて閉鎖したらどうなる?
ある日突然やってくる電子書籍プラットフォームの倒産やサービス終了による閉鎖。閉鎖したら購入した電子書籍はどうなるのでしょうか。
公開日: 2022.8.16
電子書籍の購入は「所有権」ではなく「利用権の購入」
まず知っておきたいのが、電子書籍の購入の仕組みです。
紙の書籍の場合、購入すると書籍という物体に対しての所有権が発生します。一方で、電子書籍の購入の場合は、「購入元プラットフォームを通じて電子書籍を利用する権利」を購入しているだけで、書籍データ自体の所有権はありません。
あくまで「そのプラットフォーム上で、その書籍のデータを閲覧できる権利」と思っておけば良いでしょう。ある電子書籍をプラットフォームAで買った場合、別のプラットフォームBでは購読ができないのはそのためです。
購入元が倒産やサービス終了などで閉鎖した場合はどうなる?
では、現在使っている電子書籍プラットフォームが倒産やサービス終了で閉鎖してしまった場合はどうなるのでしょうか?
ここはサービスごとに対処が異なりますが、
- 購入分のポイントで返金
- 全額返金
- 書籍ファイルをダウンロード可能にする
- 他のサービスに引き継ぎ
という4つの方法が取られます。
いずれも購入した電子書籍が閲覧可能な状態になるか、もしくは同等価格の返金が行われているので、ある程度は安心して使って良さそうです。
仮に対応がされなくても、ローカルデータは利用できる
サービスにもよりますが、スマホやタブレットのアプリ、電子書籍リーダーにダウンロードした書籍ファイルは、電子書籍プラットフォームが倒産やサービス終了したとしても、使い続けることができることがほとんどです。
中には、アプリを使うのにログインが必須で、サービス終了と共にログインサーバーが停止してしまい、使えないというケースも出てくるかもしれませんが、そうした場合は、基本的には返金などの対応が取られるでしょう。
ただ、電子書籍プラットフォームが終了すると、アプリの提供も終了するので、新しく購入したスマホやタブレットにはインストールが出来ない可能性があるのは覚えておきましょう。
電子書籍を買うなら「なるべく閉鎖しないサービス」を選ぼう
ここまで見てきた通り、電子書籍を買う上でサービスの閉鎖というのは一つのリスクです。数冊くらいなら良いですが、数百、数千冊の利用権が吹っ飛ぶとなると、考えただけでもゾッとしますよね。
そうならないためにも、電子書籍を購入する場合は、利用するサービスをしっかりと選ぶ必要があります。
選ぶ際の基準は、
- 書籍販売が本業の業者
- 大手ECプラットフォーム
というのがベストです。
逆に選んではいけないのが、
- 電子書籍専業のスタートアップ企業
- 他にメインのサービスがあって、新規参入する企業
の二つ。これらは電子書籍事業自体がチャレンジなので、簡単に撤退する可能性があります。
電子書籍を買うならAmazonと楽天が安心
そう考えると、やはり電子書籍リーダーを持っているAmazonと楽天が安心です。
どちらも巨大ECを運営する企業で企業体力もありますし、何よりもリーダーを販売するほど電子書籍を収益の一つとして見込んでいるため、長く運営してくれるでしょう。
Amazonと楽天以外では、ヨドバシドットコムや大日本印刷株式会社が運営するhontoなども、安心です。