電子書籍のファイルフォーマットの種類と電子書籍リーダーの対応一覧

電子書籍ファイルのフォーマットは大事？

個人販売されている電子書籍や、無料配布されている電子書籍の場合、ファイルフォーマットが何かによって、閲覧が出来る電子書籍リーダーが変わってきます。そのため、ファイルフォーマットは重量と言えるでしょう。

しかし、アマゾンや楽天市場など、プラットフォームを通じて電子書籍を購入する場合、権利管理の関係から専用の電子書籍リーダー、もしくはアプリを通じて電子書籍を読むことになるため、「電子書籍のファイルフォーマットは、ある意味関係ない」と言っても過言ではありません。

主な電子書籍ファイルのフォーマットの種類

EPUB（.epub）

EPUB(イーパブ；Electronic Publication)は、IDPFが2007年9月に発表した電子書籍フォーマットで拡張子は.epubです。XMLをベースとしたオープン規格なため、ベンダーロックイン（事業者依存）がないのがメリットです。

ファイルとしては、XHTMLやDTBookでマークアップした書類と関連した画像やCSSを一つのZIPファイルでまとめたもののため、自由度が高くファイル変換などがしやすいため、各電子書籍リーダー用に変換する際にも使われるフォーマットです。

Amazonが「Send to Kindle」機能でEPUBに対応したことから、今後のスタンダードになる可能性が高くなっています。

PDF（.pdf）

Adobeが開発したドキュメントフォーマット。ファイルの編集・作成にはかつてはAdobeのAcrobatが必要でしたが、現在ではPDF規格で出力出来るソフトウェア・アプリが多数あり、しかもウェブブラウザやファイルブラウザでも閲覧可能、OSもほとんどのOSに対応するという「超万能フォーマット」になっています。

MOBI（.mobi）

MOBI(モビ)は、フランスのMobipocketが開発した電子書籍リーダ・Mobipocket Reader専用の電子書籍フォーマットとして開発されましたが、その後Amazonが買収したため、Amazon Kindleでも利用可能なフォーマットとして知られています。

ただ、Amazonは2022年後半から「Send to Kindle」機能の対応フォーマットにMOBIを除外するなど、徐々にフェイドアウトされつつあるフォーマットです。

AZW（.azw）

買収したMOBIをベースに開発されたAmazon Kindle専用のフォーマット。アマゾンで購入した電子書籍は基本的にAZWフォーマットになっています。別名Kindleフォーマット7。なお、EPUB3に準拠した・Kindleフォーマット8(AZW3)もあります。

なお、2008年末以降は新しいファイル形式Topazも採用されており、アマゾンで販売される電子書籍でどちらのフォーマットが主流になるかはわかりません。

電子書籍リーダーの対応フォーマット

最後に、主な電子書籍リーダーの電子書籍ファイルフォーマットの対応状況を見てみましょう。

もともと、Amazon KindleはEPUBに対応していませんでしたが、2022年から「Send to Kindle」機能で対応したため、一番対応フォーマットが多い電子書籍リーダーになりました。

意外と健闘しているのが楽天Koboで、Amazon独自のAZW以外に対応しています。

電子ペーパーのAndroidタブレットであるBOOXもアプリを通じて全てのフォーマットに対応しています。同様に、iPhoneやAndroidスマホなども、アプリを使ってほとんどのフォーマットを閲覧が出来ますが、AZWだけはKindleアプリが必須となります。